CIID Designing Sensing

Ats
9 min readSep 7, 2020

--

ソフトウェアエンジニアが CIID の IDP コース(23週目)に参加して学んだことをゆるりと共有します。今週(8/31~9/4)は「感覚」のデザインの授業でした。個人的にはデザインと言うよりアートだなと感じました。この学びが実社会でどのように活きるかはもっと鍛錬が必要だなと感じました。そして、エモいです。

Photo by Sam 🐷 on Unsplash

22週目の記事もあるので良かったら読んでみてください。

Day 101: Sensing Taxonomy

この日は、新しく学んだことはそんなになかったです。デスクリサーチがメインで、その後に調べた結果をブレインストーミングしていました。具体的に説明すると、まず興味のある感覚を選び、その感覚に関しての文献を調べて、実用化例を調べて、チーム内で共有していました。最後に、その共有結果にカテゴリーをつけて分類しました。

カテゴリーする際にデジタルアーカイブについて説明されました。下記のリンクの様に、知識をカテゴリー分けして保存しておくことで、知識へのアクセシビリティを上げるということです。

要は情報を整理して、保存するということです。「デジタルアーカイブ」というかっこいい名前がついていますが、図書館情報学を思い出しました。おそらく、根本の考え方は一緒で、整理する対象がデータなのか本なのかの違いだと思います。

Day 102: Sketching Augmentation

Photo by Paul Melki on Unsplash

この日は、感覚をデザインするフレームワークを教わりました。それを使って、個人で簡単にデザインしてプロトタイプをしました。この章では、その方法を共有しようと思います。

The reason for existence

この日のアウトプットは、体の一部を拡張するようなデザイン案を体現した短い gif でした。そのために、「Purpose」「Structure」「Perception」「Expression」の4段階に分けてデザインを整理しました。

「Purpose」では、自分がデザインしようとしている体の一部がなぜ存在するのかを理解します。このフレームワークでは、この「Purpose」を何にするのかでほとんどのアウトプットが決まると思います。次に「Structure」では、「Purpose」のために体の一部が保持している身体的な機能を特定します。そして、「Perception」では体の一部が「Structure」する上で使っている感覚を定義します。ここは「味覚」や「視覚」などの五感で表現します。最後に、「Expression」ではインタラクションのフィードバックを定義します。僕は体の一部として「手」を選びました。そして、「Purpose」を「物を運ぶ」、「Structure」を「掴む」、「Perception」を「触覚」、「Expression」を「重さ」としました。

最後に、自分がこのデザインを使うコンテキストを定めます。僕は「自分の机の上をキレにする時」として、それを gif で表現しました。その gif を下記に載せておきます。僕は、手を粘着テープのように拡張したことを想定してデザインを考えました。

なんとなく、フレームワークが7週目にやった Biomimicry に似ているなと思いました。興味ある人は下記にリンクを載せておくので読んでみて下さい。デザインの源泉を体の一部からにするのか、生物にするのかの違いで、機能や目的に注目する過程は両方とも共通するところがあると思います。

Day 103: Seeing yourself Sensing

この日は、金曜日にプレゼンするデザインの課題が発表されました。また、課題に伴いチームも発表され、チームでの作業がメインとなりました。それ以外は、外部からゲスト講師が来て Design Sensing の事例を説明してもらいました。特段新しいことはなく、淡々と終わった一日でした。なのでこの章では、今週の課題を説明して終わろうと思います。

今週の課題は「生態学的・生物学的現実への新たなつながりを強調するインターフェースをデザインする」でした。すこし仰々しいですが、要約すると「今の人間では感じることの出来ない自然界の側面を感じることが出来るインターフェイスをデザインする」ということです。その中でも僕たちのチームは、「目に見えない物質」に注力することにしました。「目に見えない物質」とは「匂い」だったり、「分子レベルの目に見えない小さい物質」などを表しています。この「目に見えない物質」の新しいインターフェイスを、デザインとプロトタイプをして、現実的なレベルのデザイン案を考えるのが今回のお題です。内容だけ見るとスペキュラティブになりそうですが、今回はそれを SF で終わらせないことが求められています。

Day 104: Prototype sense

Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

この日は前日に出された課題に対して、コンセプトを考えて、プロトタイプする日でした。今回の授業は特にフレームワークを教わっていないので、「とりあえずやってみる」方式で行いました。再現性が高い方法ではないですが、紆余曲折が多い一日だったのでそれを共有しようと思います。エモいので読み飛ばしても良いです。

Scrap & Build

前述しましたが、一日しかプロトタイプする時間がなかったのでとりあえず何か作る気概で議論していました。ただ、講師からのフィードバックはなかなか厳しく的確で、何度も議論を前後させました。最終的には、一日の電気と水の消費量を、匂いを使ってフィードバックするというコンセプトに落ち着きました。このコンセプトにたどり着くまでに、一日で4回もスクラップアンドビルドを繰り返しまた。

正直、かなり苦労しました。どうやって講師の期待値に応えるのかが難しいなと思っていました。また、フレームワークや手法を教わっていないので、たとえ運良く期待値を超えられたとしても、次回のプロジェクトでどう活かせるのだろうか感じていました。ただ、この日を終えて感じたことは、「思考の柔軟性」と「形にするスピード」の重要さでした。

「思考の柔軟性」とは、「クリエイティブ」のような抽象的なことを言いたいのではなく、「自分の考えをゼロにしてやり直せるか」です。やはり一度自分たちの考えを形や言語化すると捨てるのがもったいないように感じてしまいます。それ故に、アイディアに固執して次のアイディアに遅れているなというのを自分の思考に感じました。また、最短で形にする方法で、形にして人に説明するのが重要だなと改めて感じました。講師に自分たちのアイディアを説明している時に、「100%伝わっていないな」のような感触でした。それで、僕たちチームは形やコンテキストを1枚の画像にしたり、インタラクションを gif にしたりと説明の方法を工夫していました。

この「考え直して、作り直す」というプロセスがとても大変だけど鍛錬が必要だなと感じました。また、この日はこのプロセスの良い練習になったなと感じました。特に有益な情報を共有出来ていないですが、僕の些細な気付きと思って読んでくれたら嬉しいです。

Day 105: Presentation

この日は今週のプロジェクトの発表の日でした。僕たちは「Honoka」というコンセプトを考えました。そのプロダクトイメージを共有します。(プロダクト名は僕が筆ペンで書きました)

正直、かなり難しいと感じた一週間でした。自分の中で、どう体系化して落とし込むべきなのかが分からずモヤモヤしていました。ちょうどアートとデザインの中間をやっていたような感覚で、これを卒業後にどう活かすのか、まだ分かっていません。ただ、プロトタイプのプロセス自体は良い訓練だったと思っています。「何も考えたくない」と思った瞬間は何度かありましたが、最終的には何かひねり出して形にすることが出来ました。こういうことは矯正されないと、なかなかやらないことなので、この経験を活かしていこうと思いました。

--

--

Ats
Ats

Written by Ats

I like building something tangible like touch, gesture, and voice. Ruby on Rails / React Native / Yocto / Raspberry Pi / Interaction Design / CIID IDP alumni

No responses yet